次の文で示す症例について、施術対象となる椎間関節部位で最も適切なのはどれか。「19歳の男性。体操競技選手。体幹のひねり動作時に腰部に違和感を訴え、近医にて分離すべり症と診断された。母趾の背屈力が弱い。」
正解!
不正解 答え 4
1→腰椎すべり症では、L2-L3間が障害されることは稀。
2→第4腰椎神経根が障害され、大腿四頭筋の筋力低下がみられ、膝を伸ばす行為に支障が出る。他に、膝蓋腱反射の低下や下腿前面の感覚障害が見られる。
3→第5腰椎神経根が障害され、前脛骨筋(足関節の背屈)、長母趾伸筋(母趾伸展)、長趾伸筋(足趾の伸展)の筋力低下、母趾の感覚障害が見られる。
4→母趾の背屈は、長母趾伸筋(EHL)の動作であり、L5-S1レベルの障害を判定する際に用いられる。脊椎分離症は、脊椎の椎弓を構成する上下関節突起間で骨の連続性が分離した状態で、これが両側に起こると椎体が前方に滑る場合がある。スポーツなど腰椎の過度の負荷によって起こる場合が多い腰椎分離すべり症は、第5腰椎によくみられ、L5-S1レベルの症状が見られる。