1→シナプス伝達の可塑性とは、シナプスの神経活動に依存してその伝達効率が変化し、その影響が持続する性質を持つことをいう。シナプス伝達において、信号伝達が長期間にわたって起こりやすくなることを長期増強といい、長期間記憶に残りやすくなる。
2→シナプス伝達において、神経伝達物質の放出・拡散、受容体への結合やイオンチャネルの開閉制御と多段の過程を経ると、信号伝達に0.5ミリ秒程度の遅れが生じる。これをシナプス遅延という。
3→シナプス伝達によってシナプス後細胞を過分極させ、活動電位の発生を抑制するシナプス結合によって、周辺抑制が発生する。
4→加重には、時間的加重と空間的加重がある。時間的加重では、求心神経に十分短い一定の時間間隔で反復刺激を与えると、シナプス後電位が加算されて大きくなる。空間的加重では、1個のニューロンに収束する複数の求心神経を刺激すると、それぞれの求心神経の刺激によって生じるシナプス後電位が加算される。