1→球麻痺とは、延髄にある脳神経核が障害され、口・舌・喉の運動障害によって起こる症状である。構音障害、嚥下障害、呼吸・循環の障害が生じる。舌の著明な萎縮を伴う進行性球麻痺はその典型的な例である。
2→嗅覚障害の原因の一つに、第一脳神経である嗅神経の障害がある。嗅神経は運動機能を持たない純知覚性の脳神経である。
3→聴力低下の原因の一つに、第八脳神経である聴神経(内耳神経)の障害がある。聴神経は延髄から橋にかけて広がる前庭神経核と蝸牛神経核を通り、前庭覚(平衡覚)と聴覚を伝える。
4→眼球運動を司る脳神経には動眼神経、滑車神経、外転神経があり、動眼神経核と滑車神経核は中脳、外転神経は橋に位置する。