第30回鍼灸師国家試験 問題86

1→エックス線検査は骨や関節の形状や位置関係、異常な骨の増殖や破壊を見るのに非常に有効ですが、筋肉や腱、靭帯の異常は確認できません。この症例では、激痛を感じながら肩関節を外転させられず、自力で保持できないという症状から筋肉や腱の損傷を疑います。そのため、エックス線検査では診断を確定することは難しいでしょう。

2→CT検査もエックス線検査と同様に、骨や関節の形状や位置関係を詳しく見ることができます。しかし、やはり筋肉や腱の損傷については詳しく調べることは困難です。したがって、この症例における最適な検査方法とは言えません。

3→MRI検査は、骨だけでなく軟部組織の詳細な画像も得られるため、筋肉や腱、靭帯の異常もはっきりと確認することができます。この症例では、自力で外転位を保持できないことから、肩関節周囲の筋肉や腱の損傷が疑われるため、MRI検査が最も適切な選択となります。

4→筋電図検査は筋肉の電気活動を測定し、筋肉や神経の異常を検出することができます。しかし、具体的な損傷部位や損傷程度を視覚的に把握することは難しく、また筋電図検査の結果が異常であると診断されても、それが具体的にどの筋肉や腱のどの部分が損傷しているのかは判断できません。