次の文で示す患者の病証で最も適切なのはどれか。 「43歳の女性。主訴は下痢。最近、近隣の住民とのトラブルがあり、咽のつかえを自覚し、よくため息をつくようになった。その後、下痢を発症。腹痛の後に生じることが多い。」
正解!
不正解 答え 1
1→咽のつかえは梅核気と呼ばれる症状である。また、ため息も気滞により生じる症状である。肝が損傷した病証と考えられる。その後下痢を発症しているので、肝気が脾に横逆して生じた症状と考えられる。よって、この病証は肝気犯脾証の可能性が高い。
2→心脾両虚証は、脾気虚が長引き心血虚を併発している状況である。脾気虚により食欲不振や下痢、心血虚により心悸、めまい、などが症状としてみられる。
3→脾胃湿熱証は、湿熱が脾胃を損傷することによって生じる病証で、上腹部の膨満感、食欲不振、嘔吐、口粘などの症状がみられる。
4→脾腎陽虚証は、脾陽の不足から腎陽の不足につながり生じる病証である。(腎陽不足から脾陽の不足につながる場合もある。)症状は、畏寒や四肢の冷え、食欲不振、夜間尿、五更泄瀉などがみられる。