「70歳の男性。約20年前に2型糖尿病と診断され薬物治療を受けている。最近急に複視が出現した。正中視で右眼は外転位をとっている。対光反射は異常なく眼瞼下垂もない。」障害されている脳神経はどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→視神経は、対光反射と近見反応に関わる神経であるが、本症では「対光反射は異常なく眼瞼下垂もない」という所見から視神経への影響はない。
2→「2型糖尿病と診断され薬物治療を受けている」「最近急に複視が出現」「正中視で右眼は外転位をとっている」「対光反射に異常なし、眼瞼下垂なし」ということから、動眼神経が障害されているとわかる。 眼球運動の障害は、動眼・滑車・外転神経の麻痺により起こる。なかでも、動眼神経は、内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋など、眼球を内側方向や外側方向に動かす筋肉を支配している。
3→滑車神経は、上斜筋を支配し、内側直筋と協調して眼球を内下方へと動かす。
4→外転神経は、外側直筋を支配し、眼球を外方へと動かす。