次の文で示す症例で最も疑うべき障害部位はどれか。「68歳の女性。主訴は左殿部の痛み。ローゼル・ネラトン線を指標とした検査で左側に異常を認めた。ニュートンテスト陰性。」
正解!
不正解 答え 1
1→ローゼル・ネラトン線は、上前腸骨棘と坐骨結節を結ぶ線。股関節脱臼や大腿骨骨折などでは、大転子がローゼル・ネラトン線から離れる。ニュートンテストは、仙腸関節の障害を発見するときに用いるテスト。
2→恥骨結合は、左右2つの恥骨がクッション機能を果たす軟骨円板により結合している。ランニングやキック動作などの繰り返しによって、恥骨結合の軟骨円板に捻れや、恥骨に付着している様々な筋肉の牽引力によって、太ももや腹部に放散する痛みが生じることがあり、恥骨結合炎と呼ばれる。
3→仙腸関節の障害は、骨盤周辺の腰痛が出現する。多くは、前屈、後屈、SLR、ファダーフ、ファベーレ等のテストや、AKA-博田法で直接仙腸関節の触診で診断される。
4→腰椎椎間関節の障害では、後屈時痛が出現する。背中を反った状態で体幹をひねる動きを加えたときに痛みが生じた場合はkempテスト陽性として、腰椎椎間関節の障害が疑われる。