1→嚥下中枢は脊髄ではなく、脳幹(特に延髄)に位置しています。嚥下に関与する神経回路や運動のコーディネーションは、主に脳幹に存在する様々な核群によってコントロールされています。
2→口腔相においては舌を使って食塊を咽頭に送るものの、具体的には硬口蓋に押し付けることで食塊を後方に移動させます。舌の先端が硬口蓋に押し付けられ、それに続いて舌体が持ち上がり、食塊を咽頭に押し込む動作が行われます。
3→咽頭相では、食塊が誤って鼻腔や気管に入らないように、咽頭から鼻腔への出口と声門は閉鎖されます。この動作は嚥下反射の一部であり、嚥下が正常に行われることで、食物や液体が正しく食道へと導かれます。
4→食道相における食塊の輸送は随意運動ではなく、自動的な筋肉の運動(蠕動運動)によって行われます。食道の筋肉は、食塊を食道を通して胃へと自動的に押し進めることで、食物が胃まで到達することを可能にします。